福岡県の北九州市と平成筑豊鉄道(本社・同県福智町)は来年度から、観光に特化した鉄道「門司港レトロ観光列車」を同市門司港レトロ地区で運行する。今月4日に国土交通省から鉄道事業の許可書が交付された。普通鉄道を利用した観光専用列車は日本初。門司港開港120周年に合わせて開業し、新たな観光資源として活用する。
観光列車は、休止中の貨物線を転用する。北九州市が鉄道施設を保有し、平成筑豊鉄道が列車を運行する上下分離方式の事業形態を採る。ディーゼル機関車2両とトロッコ客車2両の1編成。座席数は80席。
門司港と和布刈公園の区間2キロ、4駅を結ぶ。片道の所要時間は約10分。産業遺産などが多い門司港レトロ地区は、年間200万人以上の旅行者が訪れる人気スポット。和布刈公園は、瀬戸内海国立公園内に位置する観光地。観光列車の運行で、観光客の回遊性を向上させる。
観光シーズン以外の平日は運行しない。運行期間は3月中旬から11月下旬までの土・日曜、祝祭日、春・夏休みで、年間130日の見込み。1日当たり14往復する。運賃は未定。
北九州市産業経済局門司港レトロ室では「来年度の早い時期の開業を目指している。観光客に利用してもらえるよう全国にPRしたい」と話す。年間の乗客数は10万人を見込んでいる。
門司港レトロ観光列車のイメージ図